エコキュートは省エネ性能が高く、光熱費の節約にも貢献する給湯システムですが「水圧が弱いのでは?」と気になる方も多いでしょう。とくにシャワーの勢いを求める家庭においては、水圧の強さは重要なポイントです。この記事では、エコキュートの水圧の仕組みや高圧タイプの特徴、そして適切な機種の選び方について詳しく解説します。
エコキュートの水圧は本当に弱い?
エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用してお湯を沸かす給湯器ですが、従来のガス給湯器と比べると水圧が弱いと感じることがあります。これは、タンク内の貯湯方式に由来する特性によるものです。
エコキュートの仕組みと水圧の関係
エコキュートは、貯湯タンク内にお湯を溜め、それを給湯する仕組みです。一般的なガス給湯器のように瞬間的に水を加熱するのではなく、タンク内のお湯を利用するため、一定の圧力でしか供給できません。とくに従来型のエコキュートでは、給湯時の圧力が水道直圧式のガス給湯器よりも低くなり、シャワーの勢いが物足りなく感じることがあります。
水圧が弱く感じる主な要因
エコキュートの水圧が弱いと感じる理由はいくつかあります。そのひとつが、一般的な貯湯式給湯器よりも低圧設計になっていることです。エコキュートはタンクに貯めたお湯を供給する仕組みのため、瞬間的に加熱するガス給湯器のように強い水圧を維持しにくい特性があります。そのため、従来型のエコキュートでは水圧が物足りなく感じることがあります。
また、配管の太さや長さによっても水圧は大きく変わります。とくに、細い配管や長い配管を使用している場合は水が通る際の抵抗が増えるため、水圧がさらに低下することが多いです。
さらに、築年数の古い住宅では配管の経年劣化によって内部に汚れやサビが蓄積し、水の流れを妨げることもあります。こうした状況では、エコキュートの性能に関係なく水圧が低下する可能性が高いです。
さらに、水を使う場所が複数ある家庭では同時に複数の蛇口を開くと給湯圧が分散され、水圧が一時的に低下することがあります。例えば、キッチンでお湯を使いながら浴室でシャワーを使うと、それぞれの水の勢いが弱くなることがあります。このような状況は、とくに家族の人数が多い家庭で顕著に感じられるでしょう。
高圧タイプのエコキュートとは?
水圧が気になる場合、高圧タイプのエコキュートを選ぶことで快適なシャワーや給湯が可能になります。高圧タイプは、従来のモデルに比べてどのような違いがあるのでしょうか。
高圧タイプの特徴
高圧タイプのエコキュートは、従来の貯湯タンクの圧力よりも高い水圧で給湯できるように設計されています。一般的なエコキュートと比較すると、最大で約1.5倍の水圧を実現できる機種もあります。これにより、ガス給湯器と同様の快適なシャワー環境が整うでしょう。
水道直圧式との違い
エコキュートには「水道直圧式」と呼ばれるタイプもあり、この方式を採用していると水圧が高くなります。水道直圧式は、タンクを経由せずに直接水道の水圧を利用するため、一般的な水道の勢いと変わらない感覚でお湯を使えます。これにより、高層住宅でも快適に利用できるようになり、給湯のストレスを軽減可能です。
家庭に適した高圧タイプの選び方
高圧タイプのエコキュートを選ぶ際には、家族構成や使用シーンを考慮することが重要です。例えば、4人以上の家庭では、タンク容量が少ないとお湯切れのリスクが高まります。そのため、370L〜460Lの大容量タイプが適しています。また、複数の蛇口を同時に使用する場合には、最大吐出圧が高いモデルを選ぶことで快適な給湯が可能です。
高圧エコキュートの選び方とおすすめポイント
高圧タイプのエコキュートを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくと、失敗を防ぐことができます。
水圧の基準をチェック
高圧タイプを選ぶ際には、製品仕様に記載されている「最大給湯圧力」を確認しましょう。一般的なエコキュートでは0.2MPa程度ですが、高圧タイプでは0.3MPa以上のものが多く、より快適な水圧を得られます。
家族の人数に適した容量を選ぶ
エコキュートのタンク容量が小さいと、お湯を多く使う家庭では不足する可能性があります。標準的な家庭の使用目安として、3人なら300L程度、4人なら370L、5人以上なら460L以上を目安にすると良いでしょう。
設置環境に適したモデルを選ぶ
エコキュートは設置スペースが限られるため、自宅の環境に合ったサイズのものを選ぶ必要があります。また、寒冷地に住んでいる場合は、凍結防止機能が搭載されているかもチェックしておきましょう。
まとめ
エコキュートは省エネ性に優れた給湯器ですが、従来型では水圧が弱く感じられることがあります。しかし、最近では高圧タイプのエコキュートが登場し、シャワーや蛇口の水圧が大幅に改善されています。とくに水道直圧式を採用したモデルでは、一般的な水道の水圧と変わらない快適な給湯が可能です。高圧タイプを選ぶ際には、最大給湯圧力やタンクの容量、設置環境を考慮することが重要です。家族構成や使用頻度に合わせて適切なモデルを選ぶことで、快適な給湯環境を実現できます。エコキュートの導入を検討している方は、高圧タイプも視野に入れ、自宅に最適な製品を選びましょう。