エコキュート補助金は、政府が省エネ効果を高めるために導入した支援制度です。しかし、その仕組みや条件を知らずに利用すると、思ったほどメリットを受けられない可能性もあります。この記事では、エコキュート補助金を受けるための条件や金額、注意点について詳しく解説しているので参考にしてください。
エコキュート補助金とは?
エコキュートは、夜間の電力や太陽光発電を活用して効率的にお湯を作れる設備であり、導入することで経済的にも環境的にもやさしくなることがメリットです。そんなエコキュートを購入することで、補助金が支給される制度があることをご存じでしょうか。それは給湯省エネ事業です。
給湯省エネ事業は、経済産業省の資源エネルギー庁が主導しており、2030年度までにエネルギーの需給バランスを達成することを目的としています。補助金を支給することにより、家庭のエネルギー消費の大部分を占めるといわれている給湯分野において、高効率給湯器の普及促進を図っています。
高効率給湯器が一般家庭に普及することで、エネルギー効率の向上や省エネルギーの推進につながるため、補助金制度を作り、エコキュートの普及による持続可能なエネルギー利用を促進することを目指しているのです。
もらえる補助金の値段と条件
補助金を受けるには、特定の条件を満たす必要があります。政府は高効率給湯器を普及させたいと考えているので、すべてのエコキュートが対象とならないことに、注意が必要です。ここでは、エコキュート補助金の条件と金額について解説します。
条件
2023年末において、2023年分の補助金の申請は終了しています。しかし、事業は「住宅省エネ2024年キャンペーン」として2024年も継続されることとなり、2023年11月2日以降に着工した案件に関しては申請可能です。
また、対象機種は、原則として給湯省エネ2023事業に登録されているエコキュートが対象であり、省エネ基準:2025年度の目標基準値以上の省エネ基準を満たしている必要があります。
金額
住宅省エネ2024キャンペーンの給湯省エネ事業での補助金の基本額は、8万円です。さらに条件を満たした機種には、追加の補助金が支給されます。
ひとつ目は、インターネット接続可能で、天気や日射量予報に連動して沸き上げを調整する機能が付いた機種です。昼間に余ったエネルギーをさらに効率的に使用できる機種であるため、基本額に上乗せされ、10万円の補助金が支給されます。
ふたつ目は、二酸化炭素排出量が少ないなどの厳しい条件を満たす機種で、最大13万円の補助金が支給されます。また、これらの導入費用に加算する仕組みにも注目しましょう。エコキュート導入時に電気温水器を撤去する場合は、補助金額に5万円が加算されます。
つまり、電気温水器からエコキュートに交換する場合、8万円の補助金がもらえるエコキュートを設置することで、総額13万円の補助金がもらえます。補助金額が10万円のエコキュートの場合は15万円、13万円の場合には、支給される補助金額は最大18万円です。
補助金を利用するメリットとデメリット
一見お得に導入できる補助金制度ですが、メリットばかりではありません。よく考えて利用しなければ、逆に損となる可能性もあるのです。ここでは、補助金事業を利用するメリットとデメリットについて解説しているので、よく把握しておきましょう。
メリット
エコキュートは50万円以上するものも多く、安い買い物ではありません。しかし、補助金を活用することで、高価なエコキュートを8万円引きで手に入れられるのがメリットです。また、補助金対象のエコキュートは、給湯保温効率が向上している高性能なものが多いとされています。
年間給湯保温効率が0.1%上がると、電気料金に約1,000円の差が生じるといわれており、年間の電気料金の削減が期待できます。結果的に年間2,000円の節約が見込めるなど、ランニングコストの削減にも貢献できます。また、こどもエコすまい支援事業など、給湯省エネ事業以外の補助金に関連する可能性も見逃せません。
デメリット
補助金対象となる高効率仕様のエコキュートは、通常のモデルよりも価格が高い傾向にあることがデメリットです。よって、補助金として支給される8万円よりも高価なエコキュートを購入した場合、設備本体価格だけに限れば損してしまいます。
また、補助金対象となる高効率仕様のエコキュートの設置には、時間がかかることも挙げられます。世界的な半導体不足や地政学的な要因により、エコキュートの市場流通量が増減し、状況によっては納期に遅れが生じる場合も考慮しなければなりません。
近年は世界情勢が不安定なため、エコキュートの在庫不足が深刻化しています。補助金対象となる高性能なエコキュートは生産量が限られており、市場にほとんど出回っていない状況です。
まとめ
エコキュート補助金は、省エネ効果を高めるために導入された重要な支援制度です。補助金を利用することで、高効率なエコキュートの導入が可能となり、年間の給湯費用の節約にもつながります。しかし、補助金を利用する際には、対象となる製品や条件を正しく理解し、計画的に導入することが重要です。また、補助金の利用には時間がかかる場合もあるため、早めの準備が求められます。エコキュート補助金を上手に活用し、快適で省エネな生活を実現しましょう。